通勤、そして異変
月曜から金曜まで、毎日娘の家に通っていた。
理由は、娘が先週初めて出産し、先週の日曜に退院。
実家に戻らず、というより戻れず、3月から住んでいる新居で育児することになったためである。
本来なら出産直後の心身ともに大変な時期、実家でのんびり過ごすべきなのだが、軽度とはいえ認知症の姑がいてそちらに手がかかることと、娘が赤ん坊を連れて帰っても居場所がないために、こういう決断をしたのだ。
同じ県内とはいえ、車で高速を使って1時間、一般道ならプラス30分。電車でも行けるけれど、向こうの駅から娘の家まで徒歩15分は充分かかるので、我が家の玄関から向こうの玄関までちょうど1時間、と言ったところ。
50を過ぎてから免許を取った私に、都市高速はハードルが高い。
一般道でイライラしながら往復3時間、というのも肉体的精神的にも苦痛。
消去法で残った電車を利用して「通勤」することにした。
一昨日で5日通ったことになるけれど、天気が悪く外仕事の夫が現場に出られないこともあって、水曜の帰路と金曜の往復は夫の運転で出かけて少し楽が出来た。
しかし、空梅雨気味の今年、夏至が過ぎたものの一年で一番日が長く、真上から太陽が照り付けて日陰がほとんどない道を15分歩くのは結構堪えるものがある。
おまけに往路はたいていの場合荷物が多く、重い。
これで体重がいくらか減ってくれればまだ報われる思いがするのだが。
ところで、この「通勤」の初日の明け方、私の体にある異変が起きた。
動悸がして目が覚め、やたらに大きく鳴る鼓動を観測?していると、規則正しく打つべき鼓動が時折「スキップ」するのである。
元々心拍数は多いほうなのだけれど、どういうわけかそのときはいつもよりややゆっくりめな感じで、一拍一拍が大きく、はっきりとしていたのだった。
普段の心拍数は比較的多いのだが、そのゆっくりさが妙に気になる。
もしかして、このままだんだん止まっていくのではないか。
という不安が沸き上がり、隣で寝ている夫に異変を訴えて、しばらく様子をみてもあまり変化がない。
落ち着かなくなって布団から起き上がり、着替えを済ませてしばらくすると、ようやくその動悸は収まっていった。
ただ、気味が悪い。
その日から金曜までの5日間は姑をショートステイに預けることにしていたし、「通勤」初日でもある。
このタイミングで、こんなことが起きるとは・・・
なんとかいつもの感じに戻ったので、予定通り姑を送り出してから娘の家に向かった。
私の役目は、要するに「家政婦」である。
主なものは食事つくりで、他に洗濯物を干したりたたんだり、掃除をしたり・・・と言ったところ。もちろん赤ん坊の世話の手伝いも。
娘にとって初の出産は、我々夫婦が初めて祖父母となったということ。
血がつながっているからかわいいのか、ただ単に小さいというだけでかわいいのか未だにわからないが、とにかくふにゃふにゃの赤ん坊はかわいいの一言に尽きる。
「通勤」は正直面倒だし大変だけれど、赤ん坊の寝顔を見ているとそんなことはどうでもよくなってくる。
初日の家政婦の仕事を終えて、急いで帰宅してかかりつけ医へ診察に出かけた。
心電図をとってみたものの、正常範囲内、とのこと。
頓服をもらって様子見となり、もし気になるようならホルター心電図を、と言われた。
24時間連続して心電図をとる検査だが、ここで問題になるのは私の皮膚。
顔はどんな化粧品を使ってもほぼかぶれることのないほどの丈夫さなのに(厚顔無恥?)、頚から下はちょっと何かを貼ってもかぶれやすい性質なのだ。
おまけにこの汗ばむ季節に風呂に入れないのは、厳しいものがある。
そんなわけで、翌日一日様子を見て特に何ごともなかったけれど、やはり一度ホルター心電図検査を受けてみることにした。
水曜、娘の家を少し早めに出て帰宅。お風呂を沸かしつつ夕食の準備も少ししてから入浴。これで一応昼間の汗は流せたことになる。
それから夜の診察に出かけ、器具を装着。
町医者でこの検査をするのはそれほど頻繁ではないためか、看護師さんふたりが説明書を見つつ少々手間取りながら取り付けていた。
ちょうど胃の真上にあたる部分に何本かぶら下がったコードをまとめて、太いテープ2本でしっかりと固定。
これを取るときは痛いかも・・・
まあとにかく着け終わって、検査開始。
ちょっと長くなってしまったので、本日はここまで。