犬も歩けば

犬も歩けばなんとやら 日々の暮らしで出会う 些細な出来事や思いについて

縦横

パソコンにしてもスマホにしても、その表記はほぼすべて横書きである。

日々横書きを目にし、読んでいても、これが本や雑誌のような紙に書かれたものになると、私は急に読みづらさを感じてしまう。

もちろん文字の大きさや字間・行間の広さ狭さもあるのだろうけれど、横書きの本を読むスピードは多分縦書きのそれの2割減くらいではないだろうか。

 

読むばかりではなく、書くのも横は苦手。

多少書道をかじったことがあって、縦書きは行書の連綿という続けて書く方法で、読みやすいとかきれいに書けているかはさておき、横書きよりは少しは速く、そして幾分読みやすく書けているのではないかと思う。

それが横書きになると、

・まっすぐ書けない

・字の大きさがバラバラ

・横書きでもどこか続けて書こうとしてしまって、ミミズののたうち回ったような文字になる  などなどの理由で、自分の書いた文字が判読不能に陥ることがしばしば起きる。

 

これで困るのが、とったメモが読めない、ということ。

 

電話の途中でのメモくらいならすぐ書き直せるのでよいのだけれど、仕事などで少し多めの指示を書きとめるときなど、相手の話す言葉をとりあえず書くには書いても、後で見直すと

 

これは、何?

誰?こんなわけのわからないこと書いたの!?

 

はい、自分です。

 

という事態に陥る。

 

幸い私の職場(不定期なバイト)の上司はどなたもさほど気難しくなく、後で質問しても嫌がられることなく(本当は我慢しているのかも)きちんと応えてくださるのだが。

 

このときのメモは、苦手と言っているのに、どういうわけか縦ではなく横書きになっているから不思議。

それから、読んだ本から気に入った文章などを書き写すのも、縦ではなく横。

ノートの罫線が横だから、ということもあるのだろうが、そのノートを90度回転させてまでして縦書きで書こう、とも思わない。

 

仕事上、たくさんの申請書類など、手書きで書かれたものをよく目にするが、たまにとてもきれいで整った横書き(この手の書類はもれなく横書き)で書かれたものがあると、うらやましくてならない。

文字ひとつひとつが丁寧に書かれているのはもちろんのこと、大きさが揃っているのがキモのような気がする。

大きさが揃っていても、私のように、行のなかで字が踊ってしまう=上下にぶれると、それはまた美しくない。

 

そういえば舅が亡くなって、相続などで必要だった戸籍謄本を見ると、電子化された現代戸籍は横書きになってしまって、なんだか戸籍らしくないなぁという気がした。

しかし出生を記載した古い戸籍は、書いた人の文字が読みづらく、おまけに漢数字で昔の表記(例えば十なら拾、など)でよりわかりにくい。こちらはもちろん縦書きである。

そういえば、電子化された戸籍では、いわゆるバツイチのバツもない。【除籍】の文字があるのみ。(言っておくが舅に離婚経歴はない)

 

いずれにしてもこれから世の中はますます横書きだらけになっていくのだろう。

そのうち縦書きなのは国語の教科書かお経の本くらいになってしまうのかも。あ、時代小説も縦だよね、やっぱり。